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女性泌尿器科で
扱っている疾患

骨盤臓器脱種類.jpg

​女性泌尿器科とは?

・膀胱・子宮・直腸等の臓器が膣口から飛び出して来る骨盤臓器脱(性器脱)

・加齢と共に尿勢減弱、頻尿や尿漏れといった排尿や蓄尿に関する女性特有の疾患

を対象とした診療分野です。

中でも骨盤臓器脱は出産経験のある女性の半数が罹患すると言われ、約6%の女性が80歳までに何らかの外科治療を受けるというデータがあります。
防衛医大泌尿器科ではこのような症状・疾患で生活の質を落としてしまい、気軽に外出等が出来ずに悩んでおられる女性が受診して頂けることを目的に、女性泌尿器科外来診療を実施しています。
膣から何かが出て来る、咳やくしゃみ等でお腹に力を入れると尿が漏れる等の症状がある方は、お一人で悩まず受診なさってみて下さい。

▶​骨盤臓器脱

膀胱・子宮・直腸等が腟口から脱出する状態を骨盤臓器脱と呼びます。
それぞれ、膀胱瘤(膀胱脱)、子宮脱、直腸瘤、膣断端脱、小腸瘤と呼ばれています。​    

 

これらの疾患は女性骨盤底の構造的弱点が背景にあり骨盤底筋が緩んでその近くの支持組織と共に損傷を受けることが原因と考えられています。

● 症 状
まず、以下のような自覚症状があります。

◆ 膣部への下垂感、それに伴う不快感

◆ 膣口から脱出した膣壁が下着と接して出血

◆ 排尿困難、排便困難

◆ 過活動膀胱(頻尿と尿意切迫感)

◆ 尿失禁


● 原 因

下記のようなことが挙げられます。

◆ 出産(多産、巨大児出産等)

◆ 加齢

◆ 肥満

◆ 子宮摘除術等の骨盤手術の既往

◆ 喘息等による慢性的な咳

◆ 便秘等による慢性的ないきみ

膀胱瘤.jpg
子宮脱.jpg

▶​腹圧性尿失禁

咳やくしゃみ等でお腹に力が入った時に起こる尿漏れのことです。

尿意を催してトイレに行くまでの間に我慢出来ずに漏れる、切迫性尿失禁とは原因が異なり、尿道のぐらつき(尿道過可動)、あるいは尿道括約筋の不具合(内因性括約筋不全)のいずれかが原因とされています。

腹圧性と切迫性の両者が混在する、混合性尿失禁もあります。
症状が軽い間は骨盤底筋体操や服薬で症状が軽快、軽減することが多いのですが、重症化すると根治には手術が必要となります。

混合性尿失禁の場合は、切迫性尿失禁より腹圧性尿失禁による尿漏れの程度が強い場合に手術適応となります。

SUI簡略図.jpg

▶​過活動膀胱

過活動膀胱は、尿意切迫感が強く、頻尿と夜間頻尿を伴うことが多い病態です。
切迫性尿失禁もある場合、生活の質(QOL)が損なわれて悩まされることがあります。

本邦での過活動膀胱の有病率は 40 歳以上で 12.4%(男性14.3%、女性10.8%)とされ、性別を問わず加齢に伴い有病率が増加します。
国内では1000 万人以上が過活動膀胱症状を有していると推定されています。

 

 

―過活動膀胱の症状―

尿意切迫感:
突然起こる我慢出来ない強い尿意のことです。


頻尿:
日中の頻尿とは 8 回以上トイレに行くことです。


夜間頻尿:
眠っている間に1 回でもトイレに起きてしまうことです。


切迫性尿失禁:
突然トイレに行きたくなり、トイレに着く前に尿が漏れてしまうことです。

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